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「個人情保護」という言葉をいたるところで目にするようになって、何年も経つように思われます。しかし、その対策として取られている手続きにはいささか過剰反応と思われるものも多いと感じます。銀行でも証券会社でも、個人情報保護関係の書類が別に1枚用意されていることが普通で、手続きが面倒になりました。

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先日大手都市銀行の○×銀行の営業マンが、新しくこの辺りの担当になりました、とかで挨拶に来ました。しかし、彼らの目的はいかに融資を受けさせるかであり、こちらが自社の状況や業界のことを説明しても、その間ずっと営業マン氏は上の空でした。そして、一通り挨拶が終わった後、「何はともあれご融資の査定をさせてください」といいながら1枚の紙をカバンから取り出しました。そして、「お客様の大切な個人情報をお守りするために、個人情報保護に関する書類に記入をお願いしたいのですが」と言いました。

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しかし、書類を見ると会社の売上やらなんやら結構書き込む項目が多いのでおかしいなと思いました。ふつう、個人情報保護に関する書類は、名前だけサインすればよいはずです。不審に感じて書類のタイトルを見ると、査定にあたっての事前調査に対する同意書だとか書かれていました。

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そこで私は「これは事前調査が目的の書類であって、個人情報保護は単にそれに従属するものではありませんか?」と問うと、「いや、個人情報保護は大変に重要なことでして、それを目的とした書類です。」ときた。
なおも私は、「お宅の銀行にとって本来必要なのはこの事前調査の同意に関する部分であって、個人情報保護法ができたからおまけとしてこの部分が追加になっているのでしょう?なんで主の部分を説明せずに、従の話しかしないんですか?」と聞いても、あくまでそうではないと言い張る。

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時々こうした人と巡り合います。以前はよくソフトウェア製品のヘルプデスクに電話するとこのタイプがいました。自分が受けた教育と、さらにそれを誤解して覚えた知識が絶対に正しいと信じて相手の言うことを一切受け入れようとしない。このような人は相手が何に対して腹を立てているのかを感じ取る感受性が欠けています。

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この営業マン氏も、いくら説明しても私の言わんとすることを理解しません。仮に「すみませんでした、おっしゃる通り私の説明が不適切でした、まずは事前調査を許諾する旨サインを頂かないと先へ進めませんので、どうかご理解ください」とでも言われれば、そりゃそうだよね、ということで書類に記入してあげるつもりでした。

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もう時間の無駄だと思い、あとで書類を書いておくからと言ってこの日はさっさと引き取っていただきました。もちろん、数日後にその営業マン氏から「書類に記入いただけましたか?」と電話が来ましたが、もうその気はないからと言って電話を切りました。

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個人情報保護というものが、本来は個人の情報を提供した側を守るものだったのに、それを逆手にとって商売の口実に利用しようとしている風潮があるのは困ったものです。

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