4月は新年度で区切りということもあり、区切りにふさわしい話をします。

4月に新社会人となった皆さんにはお祝いを申し上げます。これまでは学生として保護された環境で人生を生きてきたわけですが、これからが人生本番です。

さて、4月になったからと言っていきなり本当の意味での社会人になったわけではありません。それはご本人が一番よく分かっていることでしょう。昨日と今日で何が変わるのかと言っても、社会的な位置付けが変わるだけであなた方自身の中身は何も変わっていないはずです。

社会人になるというのは子供が大人になるのと同じく徐々にそうなっていくもので、その過程には様々な知識の習得、失敗や成功の経験などが積み重なってだんだんと社会人らしくなるわけですね。

さて、子供というのは無邪気なものです。しかし無邪気というのは善悪の善という意味ではありません。例として挙げると今勃発しているウクライナ戦争が良い例ですが、聞くところによるとロシア人というのは個々人同士で付き合って仲良くなると世界中で最も親しみやすい人たちだそうです。後述する司馬遼太郎の「坂の上の雲」にもそのような記述があります。ちなみに私の父は樺太生まれで、ソ連の侵略により生まれ故郷を追われたので、ウクライナにも同情を感じます。

では、なぜそのような人の好い人間らしい人たちの大多数があのような悲惨な戦争を引き起こすプーチン政権を支持するのか、不思議ですね。しかし、これを「無邪気」な国民性としてとらえると矛盾は感じません。
子供は無邪気で素直ですがその反面、屈託なく虫や小動物を遊びの延長で殺します。そこには悪意というよりは単にまだ物事を深く思慮することができない年齢であり、まだ教育ができていないというだけのことであります。

自分の子供時代を振り返ってみてください。近所には子供のころから乱暴だったり他の子をいじめたり、平気で嘘をつく子がたくさんいました。これはその子供たちの多くが人格的に欠陥を持っているというわけではなく、まだ教育ができていないということかと思います。

無邪気というのは始末が悪いですね。これはロシアに限らず多くの国にそういった人たちがいます。政治にさえ関わらなければ好きなことができて、まずまず居心地もいいから自分の国が他国を侵略しようが、少数民族を虐待しようが関心を持たない、という国家がたくさんあります。

人間はオギャーと生まれて歳を重ねるだけで思慮分別を身に付けるわけではありません。そこには人間として育つためのトリートメントがあって初めて社会人になり、紳士淑女となっていくのです。

そう考えてみると「教育」の重要性がお分かりになるでしょう。会社というのは組織として利益を得ていくことが目的ではありますが、一方で教育をする場としての役割もあります。少なくとも、クオーレはそういう枠割を持っていることを認識しております。

社会人というのは決して窮屈で退屈な生き方を意味するのではありません。一介の会社員であろうと、大谷翔平のようなスーパーヒーローであろうと同じ社会人です。社会人というのは「他人に迷惑をかけない」、「他人を傷つけない」、「人のものを盗まない」、ついでに言えば「人の国を侵略しない」といったことをわきまえている人のことであります。

昔は豪放磊落でアウトローのような、一般社会からははみ出したような生き方をしている映画俳優や芸人がたくさんいましたが、そうした人たちであっても盗みを働くとか詐欺行為で他人の金銭を奪うような人はいませんでした。むしろそうした人たちの方が情に厚く受けた恩は忘れない、社会貢献するという意識が強かったように思います。

まあ、早い話が好きなことをしてよいけれども人に迷惑をかけず、その結果について責任を持つことができるのが社会人です。

新社会人の皆さんも、よりよい社会人となるためにこの会社を土台として成長していってもらいたいと思います。

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