【2010年4月26日の朝礼でのスピーチより】

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まあ、強制的に兵役を課す徴兵制はいまどき不可能でしょうが、もう少し違った形で若い人を鍛える場があってもよいのではと思っています。今の日本では学生
を評価する基準が学校の成績だけになっており、学業に興味が無かったり勉強が苦手だったりする学生はどうしても受験競争、就職競争に負けてしまいます。そ
うした学生でも、志願して自衛隊で下働きするとか、社会のためにボランティア活動をするとかいう体験をすれば、一定の単位を貰って就職に有利になるという
制度があればよいと思います。

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私はもちろん軍隊生活をしたことはありませんが、高校生の3年間を比叡山の寺で小僧としてこき使われ、ときには鉄拳制裁を受けながら生活した経験から、若
い人は一度くらい底辺の生活や人の嫌がる下働きを経験すべきであると思っています。私は小僧の時にごみや糞尿を処分することや、人の死体を担いだりもしま
した。三度三度の食事を作るのはあたりまえ、それも自分で木を切り出してまきを作り、かまどで飯を炊いたのです。そうした経験をすると、公共心というもの
が育ちます。

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親から食事を与えられ小遣いをもらい、なんとなく無目的に暮らしていると時として十代のエネルギーはおかしな方へ向いてしまい、学校のガラスを割ったりす
ることがかっこいいと勘違いしたり、自分を庇護してくれている親や家族を憎しみの対象としたりするようになるのです。勉強が好きで、充実した学生生活を送
れる人は幸せですが、学校での生活がなじめない人は、他に行く場が無くて苦しみます。そんな人は、社会のために最貧国といわれるような国へ行って、水くみや道路直しでも手伝えばいいのです。そうすれば、何の価値もないと思っていた自分が他人の役に立てるということを知り、勉強がすべてではないという多様な
価値観を身につけることもできるはずです。

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日本と韓国を比較したときに、日本には「徴兵制」がないから若者がだらしないなどと単純に考えているわけではありませんが、このままでは自分の国も自分で守れない、自分の家族を食わせることもまともにできない、そんな日本人が増え続けていくように思います。

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しかしながら、最近の韓国では兵役も以前と比べて随分とマイルドになっているようです。新聞(産経新聞22.4.17)によると、世論を意識して厳しさよ
りも楽しい軍隊生活をPRしているとのこと。この間沈没した軍艦では、兵隊たちが携帯電話を使って家族やガールフレンドと比較的自由に通話をしていたそう
です。軍務についている兵隊がこのように外部と勝手にコミュニケーションをとるというのは世界的な軍人の常識では考えられないとのことです。韓国のそうし
た「ゆるみ」というのは、日本にとっては巻き返しのチャンスとなるのかもしれません。敵失をチャンスと見るのは情けない限りですが。

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