私は今年の5月以降、もっぱらClaude Codeを使ってアプリの開発をしています。今のAIによる実装がどの程度のものなのかという知見を得るために実験的に始めたのですが、既に4つのSaaS型アプリを開発しています。それらがアプリとして完成しているかというと、そこそこ複雑で多機能なので、使いながら機能を追加しているという状況です。
もっと軽いものとしては、Windowsで複数の定型文を登録しておいて、自由にペーストできるというものも作りました。メールのテンプレートとか、デザインの時によく使う”Lorem ipsum”や、会社の住所などを登録しています。デスクトップアプリなら、フリーソフトをあちこち探しまわるより自分で作った方が早いなと感じましたし、自作ならセキュリティに関してもある程度は安心できます。
社内でノートPCの貸し出しや返却などはGoogle Spreadsheetで行っていますが、まもなく私が作ったアプリで物品管理ができるようになると思います。
ちょうど今月あたりから社内の開発体制も本格的にAIを活用していくことになっております。これまでも耳に胼胝ができるほどAI AIと言ってきているのでまたかと思うかもしれませんが、この潮流は数10年に1度、あるいは100年に一度の大変革になると思うので、若いエンジニアの方はしっかりとキャッチアップしてもらいたいと思います。
「若いエンジニア」と言いましたが、実は私のような60歳過ぎのエンジニアのほうがこのAIの変革に大興奮している側面があります。
私が1980年代頃にプログラマーとしてのキャリアをスタートしたころは、まだ紙に鉛筆でコードを書いていました。プログラマー同士のマウントの取り合いでよくあるのは、月に何ステップコードを書いたか、という今ではしょうもないことで張り合ったものです。当時は月に500~800Step位の生産性が平均的で、月に千ステップ(1Kと言います)書くとかなりのつわものとみられました。
しかし、今は半分寝ていてもあっという間にコードが自動で生成されるので、昔の苦労を知っている古いエンジニアにとっては、大いなるチャンスと映るのです。大体、50歳、60歳を過ぎると、夜を徹してのコーディングなどはつらいし、目はかすむし、物はすぐ忘れるわで、なかなか昔のパフォーマンスが出せないものです。
しかし、知見なら腐るほどありますから、コンピュータアーキテクチャの分野や、システム設計などについてはさほど衰えているわけではありません。これにAIという相棒がくっつくと、なんだか百人力を得た気分になるわけです。
今朝も、出社前の30分でSaaSアプリのSSO機能を新規追加したところです。(朝8時にトークンがリセットされるので、その前に余った分を使いたかったから)
このあと10年もすると、AIネイティブ世代が社会に出てくるでしょう。その年代の人たちにとっては、コードを自動で書いてくれることに何の疑問もありがたみも感じなくなるだろうことは容易に想像がつきます。それがいいか悪いかは別にして、私自身は1980年にこの世界にデビューして、紙テープにパンチしたり、紫外線でROMを焼く(ネイルではありませんよ)ためにわざわざ設備のある会社まで電車で1時間かけて通ったりした時代から、このAI時代まで一通り経験できたことは、とても良いエンジニア人生だったなと思っています。
さて、今日の話の最後になりますが、皆さんは「会社に言われた仕事だからAIに取り組む」と思っていませんか?
だとするともったいない話です。
そしていつか、もし皆さんがこの会社を卒業していく日が来たとしても、「自分ひとりの力でプロダクトを創り出し、世の中に価値を提供して報酬を得る」——そんな一生モノのスキルと自信を、ここで身につけてほしいと心から願っています。
なお、近日中に「AI開発勉強会」を開催したいと思っているので、希望者はぜひ参加してください。