今年の10月から週に一度このような形で少々説教くさいような、抹香くさいような話をしていますが、その目的は何でしょうか?

簡単にいうと、それは「価値共有」です。価値観をお互いに共有するということで、英語でいうとShared Valueといいます。これは、洋の東西を問わず会社組織にとってとても大切なことであります。

価値を共有するということは、社長の考え方に合わせろとか、洗脳するとか言うことではありません。人は機械の部品ではないので、組織の中にあってもその仕事の目的が何であるかを明確にしておくことが大切です。製品を組み立てるときにねじ1本締めるにしても、何のためにそれが必要なのかを社員全員がきちんと理解するということです。(最近工場の組み立てラインで採用されている「セル方式」は、この考え方が色濃く反映されたものでしょう)

小さな会社であれば社長、大きな会社であれば経営陣が、どのような考え方を持ち、どのような方向を目指しているのかを知らなければ、従業員は安心して働くことは出来ないと思います。

価値を共有するということは、次のようなプロセスになります。

  1. 組織の目的やそれを実現するための手段を理解する
  2. それらを自分の価値観と照らし合わせて、相容れるものかどうか判断する。(明らかに自分の価値基準に合わないならば、その組織から離脱すればよいのです。無理に合わせる必要はありませんし、納得できないならばきちんと話し合い、場合によってはその内容を変更してもらう努力をすべきです)
  3. 自分個人の目的と、組織の目的を同一ベクトル上に置くことにより、自発的な行動が出来ます。
  4. 組織に属する人たちがこのように意思統一できると、組織は大変大きな力を発揮することが出来ますし、個人ではなしえなかった成果をあなたが手にすることが出来ます。

話は変わりますが、今年は日露戦争で日本が大国ロシアのバルチック艦隊を打ち破ってからちょうど100年目の年でした。そこで、日露戦争における日本海海戦をケースとして、組織のありかたについて考察したいと思います。


1905年当時の背景

  • ロシアとの戦争(日露戦争)
  • 列強の帝国主義に対する防衛
  • 国の存亡
  • 白人種対有色人種

  • ロシアの状況日本の状況
    • 皇帝政治の終焉
    • 下層の兵士は農民のような貧困層や被差別人種
    • 下士官は貴族
    • 水兵を人間扱いしなかったバルチック艦隊の司令長官(ロシアの常識)
    • 厭戦気分

    • ゼロからの軍隊創設
    • 国の総力(財力・人力)を挙げた悲壮な戦い
    • 新鋭の艦隊
    • 平民でも士官になれる登用制度

    <ここでビデオ鑑賞>
    NHK その時歴史が動いた
    日露戦争100年 日本海海戦 ~参謀 秋山真之・知られざる苦闘~)より

    日本海海戦(日露戦)の勝利とは

  • 日本の植民地化を阻止
  • アジアの自主独立
  • ロシア革命
  • プロサッカーチームが出来て間もない国がブラジルに5-0で勝つようなもの

    勝敗の決め手

    ロシア(皇帝のための戦い)日本(自分たちの戦い)
    • 旗艦の指示に絶対服従(違反は厳罰)
    • 砲兵がそれぞれ勝手に砲撃
    • 司令長官、士官、兵隊、それぞれが価値観も目的もバラバラ
    • 寄せ集めの船と人材

    • 指揮官から水兵まで全員が作戦を理解し不測の事態に対応する
    • 作戦の目的を把握した独自の戦況判断
    • すべての砲は統制された指揮の下に組織的に砲撃
    • 司令長官は、整備をしている兵の股の下を潜るほど、全員一致団結
    • 訓練された兵士と、最新鋭の船

    個人から組織へ
    組織とは個を殺すものではなく、個が本来一つで得る以上の成果を得るもの。
    (1+1=2以上)

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