学校というところ

うちの会社はほとんど新卒採用なので、社会人の経験がなく入社してきた人が大半ですね。さて、これまで皆さんが人生の大半を過ごしてきた学校というところは、誰がそのコストを支払ってきたのでしょうか。小中学校の義務教育であれば国が費用を負担しますし、高校、大学、専門学校などであれば、通常はご両親が費用を払ってくれていると思います。いずれにしろ、少なくない税金が投入されているわけです。

しかし、会社は学校とはまったく違います。会社が支払う給与は学校の教科書や教材のように自動的に与えられるものではなく、社員である自分達自身が稼ぎ出した儲けの中から分配されるのです。だからうんと働いて成果を上げている人は、そうでない人よりも多くの給与を獲得することになるのが道理というものです。

学校では、特に日本の学校では、非常に受身の姿勢で生活を送っている人が多いように見受けます。例えば授業のときに「何か質問はありますか?」と先生に聞かれても積極的に質問する人はほとんどいないのではないでしょうか。このような環境に長くいた皆さんには是非、社会では、特にこの会社ではそのような受身の姿勢ではやっていけないよということを知ってもらいたいと思います。

技術者=職人

皆さんはプログラマーあるいはSEになろうというのが当面の目標であると思いますが、これは新人研修を受けたからなれるというものでもありませんし、なんとなく言われるとおりに仕事をこなしていれば2、3年でなれるというものでもありません。折に触れ話していることですが、この世界は職人の世界と一緒です。料理をしたこともない人間が、すし屋になりたいという夢を持ってすし屋に就職したとします。そこでただ言われるままに皿洗いだけをしていて寿司職人になれるでしょうか、なれるはずがありません。一生懸命先輩の技を見て、その技術を盗もうとするでしょうし、店が終わった後には一人残って包丁を研いだり、刺身を切る練習をしたりするのがあたりまえでしょう。

この会社では受身でいてはいけません。一を聞いて十を知るという言葉がありますが、一を聞いたら十とは言わなくても三、四以上の結果を出さなくては評価されません。そこは学校とは決定的に違うところです。学校では、100点満点のテストで60点とればまずまず合格かもしれませんが、仕事において100点未満ということは不良品を意味します。なにも今すぐ一人前になれというわけではありませんが、そのようになるべく精進すること、つまり積極的な心構えで仕事(のみならず生活も)することは絶対に必要です。

質問する

私も新人の頃は見ること聞くこと知らないことだらけで自信をなくしましたことがありましたが、IT 技術の習得は一朝一夕にしてできるものではありませんし、日々新しい技術が生まれているので、常にキャッチアップする努力が必要です。そのためには、分からないことがあれば先輩に積極的に質問してください。最初のうちは質問の仕方が悪くて先輩に叱られることもあるでしょうが、そんなことでめげないでください。

分からないことがあって先輩に質問したけれども、質問の要領が悪くて叱られたAさんと、分からないことがあるのに黙っているBさんがいたとします。傍目には叱られたAさんの方がマイナス評価を受けるように思うかもしれませんが、この会社ではBさんよりも圧倒的にAさんを評価します。

求めよ

今年入社した3人には「マタイ伝」より次の言葉を贈りたいと思います。

求めよ、さらば与えられん。
たずねよ、さらば見出さん。
門を叩け、さらば開かれん。

新しいことや未知の事柄に対して、興味と好奇心を持ってください。そして、それらを理解するために、求め、たずね、門を叩いてください。何もしなければ何も変わりません。

行動すること

まずは欲することです。物事に対して好奇心を持つことです。そうすれば、それが行動に直結します。自分からアクションを起こさなければ何もおきません。何もしないで待っていても、誰かが何かすばらしい幸運をあなたにもたらすというような幻想は捨ててください。
普段からやろうと思いついた事柄をすぐにメモに書き込む癖をつけてください。すぐにできないこともあるでしょうが、紙に書くことは簡単に実行できるはずです。紙に書かなくても、携帯やPDAのメモに記入してもいいでしょう。そして、この行為はとりもなおさず、小さな行動の始まりなのです。(このあとどうすべきかは各自で考えてみてください)

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