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今月は学内の合同企業説明会が、先週は八王子、今週は蒲田と2件あった。
そろそろ就職活動も本格化してきているが、今年は世界同時不況で去年と打って変わって就職氷河期という学生にとっても厳しい時代を迎えた。

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さて、今日は数年前に大手リクルート業者の主催する合同企業説明会に出展したときの話。

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そもそもこの説明会に出展するだけで100万円近くかかるのでこちらも必死である。あれこれ準備して臨むわけだが、零細企業の辛さで費用もさほど掛けられない。ブースの装飾やプロジェクタの貸し出しなどは結構費用がかかるので省略したので、どうしても他の大手企業のブースと比較すると悲しくなるくらい貧相になってしまう。こうした大手が出張ってくる説明会に中小企業が一緒に並んでも格差が強調され、思ったように集客できない。中小は中小なりに知恵を絞って違ったアプローチもトライするべきだろう。

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そのような中でも、何人かの学生さんが説明を聞いてくれた。そこは業界大手の主催する説明会なので、中にはかなり優秀と見える学生さんもいた。数少ない来訪者に向けてこちらは一生懸命会社のアピールをする。

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イベントが一区切りしたところで手伝いのスタッフからおかしなことを聞かされた。一人の学生さんが彼にこう聞いてきたそうだ。「あの社長はなぜ金の時計をしているんでしょうか」 確かに私の腕には金色の時計がはまっていた。これは私が小学生の頃に父から貰ったスイス製(テクノス:TECHNOS)の自動巻きで、父が時計を買い換えたのでそれまで使っていたお古をくれたのだ。私が生まれたころに買ったので相当に古いし、私が物心ついたころから父の腕にはまっていた時計なので、大変愛着のある品である。ただ、それほど高いものではないだろう。スタッフも、この時計が父からのもらいものであることは知っていたので、その学生に「なんか父親からもらった時計だとか聞いていますけど」と答えたそうだ。

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その話を聞いた時は、なんだかおかしな質問をする学生だなと思っていた。「人の付けている時計が金色だろうと何だろうとそれがどうした、父のお古の時計がそんなに気になるのか?」 と思ったものだ。

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それから数カ月か数年か、しばらく経ってから何かの拍子になるほど思い当たった。その学生さんは「こんな経営者や会社は危ない」という情報を本か何かで読んでいたのではないかということだ。これは巷でよく登場する話で、私も何も見ずに思い出せるだけで次のようなものがある。

・会話の中で、何かと知人として有名人の名をあげる社長
・毎週会社を休んでゴルフに行く社長
・トイレの汚い会社は危ない
・社長室が会社全体の広さに対して広すぎる会社はダメ
・社長が高級外車に乗っている
こうした中に、「有名ブランドの高級時計、特に金の時計をしている社長は・・・」という項目もあったように思う。

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私も、金色の時計をするのは別に自分の趣味ではなかったが、父からのお古で愛着もあったので使っていた。しかし確かに他人から見ると、アンティークの(高価な)金時計をしている社長と見えたのかもしれない。いずれにしろ、もしこの学生さんが私をそのように見たとしたら残念だが、自分を律するということは、人からどう見られるかということにも気を使わなければいけないということを教えられた気がする。自分だけがこれはぜいたく品ではないと思っていても人はそう見ないこともある。

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しかし、この時計は不便だった。1カ月に5分くらい進むし、休日など少し放置しておくとすぐに止まる。ベルトも金属製なのでYシャツの袖がぼろぼろになるなど、あまり機能としてはよろしくなかった。そこで今はシチズンの電波時計をしている。もちろん色は銀色にした。とても快調で、電車のベルが鳴っても時計を見ればまだ発射まで20秒あるなどと余裕をもって乗ることができる。

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ちなみに、この合同企業説明会からずっと後になって、ある種の男性がなぜ金時計をするのかについて、面白いことを聞いた。高級な腕時計それも目立つ金色の時計をして夜のお店に行くと、店の女性たちがこの客はお金を持っていると値踏みして寄ってくるらしい。つまり、夜の社交場でもてたいからそのような高級品を身につけるのだそうだ。私は単に見栄えが良いからかと思っていたので、これは目からうろこである。

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