【2011年6月6日の朝礼でのスピーチより】
□□□□
学校を卒業して初めて社会人となった若者、多くは20代前半でまだ社会人としては右も左もわからない赤ん坊のようなものです。
私も社会に出た20歳のときのことはよく覚えています。まだ本当に自分が何をやりたいのか分からず、「し社会人生活を経験したらもう一度学校に戻り、何かしら勉強をやり直そう」とか、「とりあえずアメリカへ留学して自分の可能性を見つけたい」とか、なんだかふらふらした考えしか持っていませんでした。
□□□■
その頃、漠然と「あれをやれたらいいな」とか、「いつかこれをやれたら」などと考えていたのは、「自分にはまだまだ時間があるし、自分の人生は始まったばかり」という安心材料があったからでしょう。
□□■□
「カネはないし人間的にも未熟だが時間はある」、「今は右も左もわからないけれども俺には時間がある」、「時間があればいつか何とかなるだろう」と自分に言い聞かせて安心していたのかもしれません。
□□■■
しかし、私もついこの間社会人になったと思っていたら、あっという間に50歳間近です。社会に出てすでに30年近くが過ぎてしまいました。私が20歳のころに50歳と言えばすでに老人に近い人というイメージでしたが、自分がそんな年になるなんて想像もできませんでした。
□■□□
1年は365日というのはだれでも知っています。では週にすると何週間でしょうか。答えは365割る7で52週間です。週で考えると案外少ないものです。では、20歳の若者が50歳の中年になるまで30年ありますが、いったい何週間あるでしょうか。答えは1564週間です。この数字は毎週1つずつ確実に減っていくのです。ゴールデンウィークでまとめて休みを取れば一週間、風邪や食あたりで4,5日寝込んでも一週間、それはあっという間に過ぎていきます。
□■□■
私もこの30年を振り返ると、やりたいと思ったことの1割も実行していないように思います。私はサラリーマンをやりながら趣味のバンド活動に精を出し、20代で起業してから数年間はまともに休みも取らず働いてきましたから、平均的な同世代の人よりも精力的に活動してきたとは思います。しかし、それでも思うような成果を上げているとは言えません。
□■■□
今30歳の人、思い当たると思いますが、あっという間だったでしょう。20歳の時に30歳なんておっさんだと思っていたでしょうが、自分が30になったときに自分をおっさんだと思いましたか? 同じようにしてあっという間に40歳が来ます。10年は週に直すと521週間しかありません。時間はだれにでも平等に流れていきますから。泣いてもわめいても無駄です。
□■■■
だから、小さな目標でよいからちょっとずつそれを達成する人生を送るようにしてください。せっかくの休日をパチンコなどやって消費するのはバカ者のすることです。趣味でも遊びでもよいから、価値のあることに自分の人生を使うことです。