正月になると「1年の計は元旦にあり」ということで今年の目標を立てることがままありますね。目標を立てることはとても重要ですが、以前お話ししたようにその目標に達していないときに「まだできていない」、「いつになったらできるんだ」とネガティブな感情を持つことは禁物です。
まあ、東京から大阪へ向かおうと思った時に、新幹線で行くのか江戸時代のように徒歩で行くのかで所要時間は大きく違いますが、大阪へ行こうという目標が間違っていないかぎりは、徒歩であろうとも歩いていればいつかは着くはずです。これが目標を誤って大阪に行くつもりが北海道に設定してしまうと、いつまでたっても目標には到達しません。
目標を誤りさえしなければ、「時いたらば着く」というゆったりした気持ちで焦らないことです。
さて、今年の正月は家族でベトナムで過ごしてきました。2014年にもオフショア開発会社訪問などでホーチミン市を訪れましたが、今回はベトナムの首都ハノイへ行きました。向こうは旧暦で正月を祝うので1月1日はただ単に1年の始まりを祝うという感じで、さほど大騒ぎしません。
ベトナムは10年前と変わらず街中は人やバイクでごった返し混沌とした雰囲気ですが、国民の平均年齢が34歳ということもあり大変活気があります。平均月収が6,600KVD(4万円)くらい、ベトナム名物の米粉の麺フォーが1杯40K VD(240円)程度ですから日本の物価の1/5~1/6くらいと考えると良いでしょう。タクシーは12分で280円、30分乗っても600円程度です。これにチップを払っても安いものです。
フォーの有名店Pho Tienで牛肉フォー、70KVDで400円ほど
「O Bun Cha」のブンチャー(ベトナム風つけ麺)
市民の足はもっぱらバイクで、1台に3人くらい乗るのは当たり前、4人乗りもよく見かけます。日本製のバイクは30万~40万くらいなので月収の10か月分近くと結構高額です。現地のガイドによると、若い人は2台持ちしていて普段の通勤では年中接触したりするのでぼろいバイク、デートなどよそ行き用には最新のきれいなバイクと乗り分けるそうです。
交通ルールはかなり緩く、特にバイクは信号や車線は守らず一方通行も気にせず走る。歩行者が横断歩道を渡っていても平気で突っ込んでくるとういう状況です。これは中国でも同じでしたが、何車線もある広い道路を歩行者が渡るときは一気に向こうまで渡ろうとしても無理で、手前の1車線をまずクリアしてそれから次の車線へとゆっくり渡るのがコツです。現地の人を見ると、車やバイクが波のように押し寄せていても平気な顔をしてゆっくりゆっくり渡っていきます。クラクションはガンガン鳴っていますが、「ここにいるぞ」という存在確認のようなもので気にする必要はありません。ただ、慌てて走ったりすると相手の車やバイクがよけられないので危険です。あくまでゆっくりと相手がかわせるように歩くことです。
ホテルの近所にテレビで見たことのある場所を発見しました。電車の線路の上に平気で人々が生活している場面です。トレインストリートとして知られています。一応、踏切のところに守衛がいて立ち入りをチェックはしていますが、線路内の店に行くと告げれば入れてくれるようです。実際に電車は夕方の時間帯に1回か2回通る程度らしいです。ただ、とても人気スポットで中のカフェに入ろうとしたけれども満席で入れませんでした。このようなきわどいものが観光資源になるのは面白いものです。
ベトナムといえば我々世代は何といってもベトナム戦争。イデオロギー闘争、日本の学生運動やべ平連、悲惨なベトコンとの戦いや住民の虐殺など暗いイメージが強いですが、今のベトナムにはそのような暗い影はほとんど見られません。むしろ、彼らベトナム人は世界で唯一アメリカと戦争して勝ったというプライドが根強く、若い現地ガイドも誇らしげにアメリカに勝ったということを話していました。
ベトナム革命を指導した建国の父ホーチミン
池に浮かぶ一柱寺
ここ数年、海外旅行で感じるのは便利になったということです。まずは何といってもインターネット。現地用のSIMを用意すればどこでもたいていつながりますから、Google Mapで何でも検索できますし、現地語で書かれたメニューの翻訳も瞬時にできます。
また特にここ数年、タクシー配車アプリが普及しており、運転手に行き先を伝えるのに四苦八苦したり、ぼったくりにあったりということが無くなりました。さらに、タクシーを利用した履歴が地図付きで残っているので、自分がいつどこからどこまで移動したのか明確に記録されています。
今は円安と原油高で海外旅行のコストも高くつきますが、高額な旅行会社のパックツアーを利用しなくても、インターネットで簡単に格安航空券やホテルが予約できます。トップシーズンを外すなど工夫次第でかなり安く行けます。コロナも落ち着き、日本の株価もバブル後最高値となりましたので、皆さんも海外へ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
船上から見るハロン湾
ティエンクン鍾乳洞から見下ろすハロン湾