今週はGWでずっとお休みでした。

日曜日にフリーマーケットに出店したのでその時の話を書きます。

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GW連休最後の日曜日、近所の商店街で催されたフリーマーケット(フリマ)にうちのカミさんと一緒に出店しました。もう10年くらい前に一度出店したことがありますが、子供の玩具や着なくなった服などを処分するために久しぶりに出店してみました。
持ち込んだ商品は、子供のキックボード、ヘルメット、子供向けDVD、婦人服、靴、アクセサリーなどで、売るというより捨てるよりも誰かに使ってもらいたいという意味合いが強く、1点100円程度での出品です。基本的にはブックオフでも引き取らないような二束三文のものばかりです。

天気はカンカン照りで初夏の陽気、場所によっては日陰になっているところもありますが、私たちの場所はちょうど日に当たる場所で私はすっかり日焼けしてしまいました。

お天気のせいもあり朝から順調に客が来ては品定めをしていき、商品も順調に売れて行きました。このフリマイベントでの出店は初めてであったので客が来るかどうか心配していたカミさんも大満足。

そんな中、出品していた子供のぬいぐるみも思いのほかさばけていきました。「ぬいぐるみ」、こんなバイオマス燃料にもならないようなエネルギー密度の低い物体が多勢に無勢で狭い我が家を占拠していることを苦々しく思っていた私にとっては、とにかく目の前から奴らが消えていくことが快感でたまりませんでした。
10個くらいあったぬいぐるみが1個100円でどんどんと買われて行き、残り3個となりました。残っているのは豚の鼻をしたへんなウサギと普通のウサギ、そしてよくあるクマのぬいぐるみです。このクマのぬいぐるみは茶色くて30cmくらいのよく見かけるやつです。2個ペアだったのですが、赤いシャツを着た1匹はですでに売れて、残っているのは青いシャツを着たやつでした。そして、3匹の中で最もまともに見えるこのクマのぬいぐるみが買われて行き、残り2匹となったところでお昼になりました。

昼からは小6の次女も手伝いに来て、代わる代わる昼食を食べましたがその間にも客は途切れません。大量に出品した服もできる限りさばいて、帰りの荷物が少なくなることを期待して接客に努めておりました。

そんな折、ふと遠くの方でひらひら動いているものが目に入りました。斜め前方のマンションの3階あたりになんか茶色いものが見えます。よく見ると、それはマンションの窓から外に吊るされた洗濯物ハンガーで、そこになんか見覚えのある茶色いものがぶら下がっています。
「あれ? もしかして・・」とカミさんと子供に指さして教えると、「あ、うちのクマだっ、青いシャツ着てるし」と二人とも驚いて言いました。次女がそちらの方まで歩いて行って確認してきましたが、確かに青いシャツを着たあのクマでした。

きっと買って行ったのはすぐご近所の方で、買って帰ると同時にすぐに洗濯して天気もよいので外に干したのでしょう。
洗濯物ハンガーに吊るされたクマは、風にあおられてくるくると回っていますが、その様子を見ているとまるで、
「ぼくはここだよっ」
「ここが新しいおうちだよー」
「今までありがとう、バイバーイ」
と言っているようで、なんだかとてもうれしいような切ないような気分になりました。

子供部屋にぎっちり押し込められているたくさんのぬいぐるみ、いいかげん邪魔に思っていた私はあるとき、
「ブックオフでも取ってくれないんだし、ごみの日にまとめて出してしまったらどうだ?」
と子供たちに言ったことがあります。
すると、子供たちは「人形には魂が宿っているから捨てるのはなんだか忍びない」というようなことを言っておりました。
「そんなのただの綿の塊なんだから変な感情移入する必要はないよ」
とドライに言い切った私ですが、今日のこの情景を見ていたら、ただ捨てるよりも誰かにもらわれてまた誰かに大事にしてくれる方がずっと良かったなと思ったのでした。

この出来事はとても印象深かったのでたぶんずっと覚えているでしょう。もしもぬいぐるみをごみとして捨てていたらこのような思い出はできなかったということを考えると、熱い中を日に焼けながらでもフリマに出店してよかったなと思いますし、とても良い断捨離ができました。

その後ほどなく、豚の鼻をした変なぬいぐるみも売れました。あるお客が何の躊躇もなく「これください」といって買っていったので、「物好きな」と思いましたが、後で聞くと、このぬいぐるみは韓ドラに登場するアイテムらしく、買っていったのはそれを知っている韓ドラファンだろうということでした。なるほど。

最後に残ったウサギのぬいぐるみですが、終了時間の午後4時が近づいてきて店じまいをし始めたころにやってきた子供たちが、「かわいい!」といって見ていたので、「ぜひもらってください」といってタダで差し上げました。ぬいぐるみを置いていた台の上はまさに、「そして誰もいなくなった」状態となったわけですが、彼らはごみの焼却炉に行ったわけではなく、皆それぞれに新しい持ち主にもらわれて行ったので、とてもさわやかな気分でした。フリマというのは、売り上げどうこうよりもこうした爽快感が魅力だと感じた次第です。

 Bear

 

 

 

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