【2010年9月27日の朝礼でのスピーチより】

9月24日

この日は国辱の日として記憶されることになるでしょう。尖閣諸島で海保の巡視船に体当たりしたことにより逮捕した漁船の船長を、中国のちょっとした圧力に簡単に屈してあっさり釈放したこの出来事は、日本の国としてのありかたを根本から揺るがすことになりかねません。
ここで、中国が悪いとか尖閣諸島は日本の領土だとかいう話をするつもりはありません。こうした国同士のせめぎあいは過去の歴史をさかのぼればいくらでも見られる話であり、相手の立場になって考えれば、中国がそうした行動に出るのはしごく当然のことと考えられます。
中国からしてみれば、今回の出来事は突発的に起きたものではなく、「いつかは世界に強い影響力を示す国になる(かつての中華を取り戻す)」という目標のために過去数十年間も努力し準備してきた結果だと言えます。中国がこうなるために準備してきているというサインはもうずっと以前から発せられ続けていたのですが、それに対してなんら有効な対応策を講じてこなかった日本の怠慢こそが今回の問題の問題たるところです。

サッカー日本代表

それにしても日本外交のふがいなさには情けなくなります。ずっと前から、何か事が起こるたびにがっかりさせられるので、今に始まったことではないのですが、どうにかならんのかと言いたくなります。
サッカーに例えるとわかりやすいのですが、今回のケースは、日本代表チームが中国代表にコテンパンにやられたというようなものです。自国のチームが相手に負けたからと言って、相手の国を憎むという感情は普通は抱かないでしょう。まずは自国のチームに対して厳しい目が向けられます。
それも、納得のいく試合運びをしてたまたま負けたとか、負けるにしても何かしら次につながる成果を得たのならばいざ知らず、最初から腰が引けて、なす術もなくただ行き当たりばったりな対応に終始し、相手にいいように翻弄され、当然の帰結として負けたとするならば、自国のチームに対して憤慨するのは当然です。
今回の中国のやりかたも確かにえげつないですが、審判の目を盗んで相手の選手のユニフォームをつかんで倒した程度のことで、後からいくら非難しても後の祭りです。要は、勝つためにはどうしなければならないかを考えるしかないのです。

軍隊のない国

軍隊のない国というのはこんなものなのでしょう。外交は気合です、なめられたら相手の言いなりになるしかありません。中国をやくざ国家という人がいます。私も同意しますが、それは中国に限った話ではありません。日本を含めて地球上のすべての国は、その性質をむき出しにしているかどうかの違いだけで、他人を食い物にして自分の利益だけを追求するやくざと同じです。
世界の国々は、皆自国の利益のためにのみ必死に外交を行っているのであり、外交の延長線上に戦争があるというのは峻厳な現実です。それを、他国の軍隊に守ってもらって、つまり金は払うからお前のところの国民に血を流してくれ(死んでくれ)といっておきながら、自国民は怠惰な生活に現(うつつ)を抜かすという態度はもう通用しない時代になっているのでしょう。

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