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何かにつけリーダーシップが大切だということを話してきているが、最近次のような記事を見つけたのでご紹介する。
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(引用ここから)
多くの国が混ざっているヨーロッパでは、有名大学を出ただけでは誰も雇ってくれない。就職試験の面接は「あなたの経歴の中で、何か履歴書に書いていない特筆すべき経験がありますか?」という質問からスタートする。そこで評価されるのは、ボーイスカウトで2年目にヘッドになった、野球部のマネージャーを務めて部費を預かっていた、というようなリーダーシップなのである。資格や免許などの定量的なものではなく、定性的に物語として語ることのできるリーダーシップの経験が22歳までに5つはないと、ヨーロッパの有名企業では採用してもらえない。なぜなら、リーダーシップを取る傾向のある人は、人生で必ずそれを反復するからだ。そういう人は世界のどこでも活躍できる。今の日本に足りないのは、まさにそういう人材である。
一流大学を出た新入社員が、「私は特徴のない人間ですが、誰とでも仲良くやっていく自信だけはあります」と挨拶しているようでは駄目なのである。ここに日本の教育の最大の欠陥がある。
(引用ここまで)
- SAPIO 2008.3.26 大前研一「最強国家ニッポン」の設計図 -
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まさに正鵠を得ている。この記事は新卒向けの説明会で学生に配るようにしているが、どれだけの人が理解してくれているだろうか。私が集まった学生たちに、「自分伝説」を2つ3つ作れといっているのは、正に大前氏のいう「物語として語ることのできる経験」のことである。
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クオーレの採用で重視しているのは学歴でも資格でもなく、人柄とコミュニケーション能力である。本当は上記のようなリーダーシップを持った人と言いたいところであるが、20歳そこそこでそのような経歴を持った人は、なかなか名もない中小企業には来ないのである。だから、リーダーシップは会社で教えるから、それを身につけられる可能性のある人、という意味で人柄とコミュニケーション能力を重視するのである。
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学生相手のセミナーでのFAQ(よく質問されること)に、「卒業までに何を勉強しておけばよいですか?」というのがある。当人は、「Javaを勉強しておきなさい」とか、「Accessを使ってRDBに慣れておきなさい」などという答えを期待しているのだろうが、私の答えは違っている。「教育は会社できちんとやるから特に何もしなくてよろしい、それよりも残りの学生生活をエンジョイしなさい。」 そしてこう付け加える。「知識を蓄えるよりもコミュニケーション能力を高める方が大切だから、卒業までに合コンを10本以上こなしなさい、そして自分が幹事役を引き受けること。」 合コンでその日のうちにお持ち帰りができるような学生なら、かなり見込みありと思ったりする。