【2012年3月26日の朝礼でのスピーチより】
私には10年以上前から思い描いているアイディアがあります。それは、情報技術の仕組みをアニメを使って表現するというものです。シリアル通信、TCP/IP通信などのプロトコル、データがどのように流れていくのかを文字で説明するのは大変です。通信パケットの動きがモンスターズインクの1場面のようにイメージとして見せられたら、専門書を100ページ読むより簡単に理解できると思うのです。
もともと人間の持っている概念は2次元でも3次元でもなくもっと複雑ですが、それを文書化するためにシリアライズして文字情報に落とし込む必要があります。つまりエンコードするわけです。読み手はそれを再度文字から概念に戻す、つまりでコードするわけですが、そうしたことにより理解時に時間がかかり、ノイズつまり誤解が生じると思っています。
日本はアニメ大国ですから、そのノウハウを生かして様々な先端技術を簡単に学ぶことのできるコンテンツを作るのは簡単ではないのでしょうか。私の娘は小学4年になり、クラスでは情報という教科が新たに始まりました。聞くと、キーボードの入力や文字変換を習っているそうです。
確かにキーボード入力を覚えることは必要ですが、いまどきはスマホなどの普及で子供たちはキー操作は自然に覚えてしまうでしょうし、パソコンが“扱える”だけの事務員の需要は、残念なことにこれからの日本には生まれてこないでしょう。昔で言うと、そろばんができればとりあえずどこかに就職できたかもしれませんが、既に時代は変わってしまいました。
頭の柔らかい子供たちにはワープロを教えるのではなく、技術の概念を理解させるような教育をこそすべきだと思います。手先が器用なだけのワーカーを生み出すよりも、技術に興味を持ちその可能性を感じて自分で新しい技術、市場、ビジネスを創造する可能性を与えてあげることこそ教育でしょう。
Chromeが出てから、Firefoxからはご無沙汰しておりました。市場シェアでもここの所劣勢が伝えられており心配していましたが、Firefoxは開発者向けの切り口で勝負していくように思えます。