【2011年5月30ー日の朝礼でのスピーチより】
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ある中堅ソフト会社に勤めていた友人から聞いた話です。
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その会社の勤務時間は、IT業界ではありきたりですが定常的に残業が多い会社でした。
フレックスタイムなのでおおかたの社員は10時か11時くらいに出社し、帰りは10時とか11時まで残っているのが普通だったようです。しかし、マネージャークラスになるとそうは行かず、朝は9時に出社して帰りは最後まで居残るというのが暗黙のルールになっていたそうです。
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いや、暗黙のルールと言うより、この会社はマネージャー同士を競わせて厳しく査定していたようなので、競争相手のマネージャーより遅く出社したり、先に帰ったりすると後で突っ込まれるネタになるので互いに牽制した結果このような三すくみ状態になっているのでしょう。これは、一般社員でも同様で、マネージャーが定時を過ぎてもいつまでも残っているので、部下が「お先に失礼します」とは言いにくい雰囲気が漂っているのが想像できます。
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何らかの理由がない限り「お先に失礼します」とは言いづらいこの会社、ではそれほど仕事がたくさんあって、皆が忙しく働いているのでしょうか。友人の話によると、必ずしもそうではないようです。
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この友人もマネージャーの一人だったのですが、中途入社だったので最初は「皆よく働くな」と思っていたそうです。しかし、ある朝おかしな光景を目にするのです。自分より入社年次の古いマネージャーのA氏が自席に座ってパソコンを操作していました。顔はモニターに隠れてよく見えませんが、手にしたマウスが動いているので、なにやら仕事はしているなと思っておりました。しかし、気になってよく見てみると、いつまでたってもマウスが同じようにぐるぐる回っているだけで、どうもおかしな感じです。
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そこで友人は、さりげなくA氏の後ろに回って何をやっているのかを横目で見てみると、なんとA氏は目を開けたまま居眠りをしていたそうです。しかし、それを悟られないようにとマウスを持つ手だけは動かしていたそうです。習慣というのは恐ろしいとはこの友人の弁です。
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このような話を笑い話として取り上げましたが、実はそれほど珍しい話ではないのかも知れません。