【2011年9月26日の朝礼でのスピーチより】

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先日近所のローソンに行ったところ、会計の時にTポイントカードはお持ちですか?と聞かれました。TポイントカードとはTSUTAYAが発行しているカードで、最近は色々な店で利用できるようになっているのは知っていましたが、ローソンでそれを使えるとは知りませんでした。ただ、私は余りポイントカードを持ち歩かないタイプで、ハナから縁がないと思って「持っていません」と応えました。

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するとその店員、お金を出そうと開いた二つ折りの私の財布を見ると、目ざとく「あ、そのカードがTポイントカードですよ」と、財布の中に差し込んでいたビデオ屋の会員カードを指さしました。これは以前、コンタクトレンズの店で作ってくれたカードですが、こんな場所で使えるとは思いませんでした。あちこちの脈絡のないショップで提携しているのですね。店員は私からそのカードを受け取るとレジでポイントをつけてくれました。

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「コンビニの買い物なんてたかが数百円、それに対して付くポイントなんて知れているのに親切なこった」と思いながら、ポイントカードに対する店員の妙な執着心に違和感を憶えつつも、そんなことはすっかり忘れていました。昨日、ある外資系IT企業で活躍しているマネージャーのセミナーで話を聞くまでは。

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この方は色々な企業の調達やマーケティング業務に関わってきており、ヤマダ電機とヨドバシカメラの比較など大変興味深い内容の話をしてくれました。

そんな中で出てきたのが大手コンビニエンスストアのマーケティング戦略。レジを打つ時に客の性別、年齢層、時間などを同時に入力し、様々なマーケティングに役立てているという話は私も知っていました。

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しかし、最近(でもないかも知れないが)はもっと進化しており、客にポイントカードを持たせることにより、買い物の時にそのカードを読ませるだけで、客の正確な情報が入力できてしまうのです。店員が何となく40代の女性と見た目で入力するデータよりも正確で多くの情報が入手できます。客の年齢はおろか住所や家族構成まで一瞬でインプットできます。この話を聞いて、ああ、あの店員は私にポイントをつけたかったのではなくて、私の顧客情報が欲しかったんだなと合点がいきました。

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この日の話で紹介されたアメリカの事例です。ある髭剃りクリームを販売するのにどこに置くのが効果的かということですが、意外なことに牛乳売り場に置くと売れたそうです。アメリカでは、牛乳が切れると奥さんが旦那に買いに行かせることが多いという傾向があり、牛乳を買いに来た男性が、そこにおいてある髭剃りクリームを見て「ああ、そう言えばもう無くなりかけていたな」と買っていくそうです。

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こういった購買パターンは、顧客の詳細な情報があればこそ見えてくる話です。

企業はこうした顧客情報を何とか収集しようと日夜努力しているわけです。

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