(いつも朝礼のスピーチは月曜日ですが、今日は仕事始めなので例外的に話をします)

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今日は1月4日、仕事始めです。

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正月を迎え、冬も真っただ中となりましたが、ついこの間まで暑い暑いと言っていたのに季節の移り変わりは速いものです。

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日本人はとかくお祭り騒ぎが好きで、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝い、正月になれば今度は神社やお寺に初詣。とかく節操がないと言われますが、そこには人間の、意識しないでいると時間という切れ目のない流れの中で、だらだらと生活してしまうという本質から、要所要所でけじめをつける意識が働いているように思います。

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日本は非常に四季がはっきりしており、きちんとした生活をしていないと生きていくことすらままならなくなります。まず冬になると食料の調達が困難となります。そこで、秋の収穫をため込んでおいてなんとか冬を越すことを考えます。そのために食料の備蓄が必要なります。すると保存するための食品加工技術、発酵技術などが発達します。

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冬を越せるだけの作物を得るためには、春の作付けから計画的にやっていかなければなりません。1年を無計画に過ごしていると冬を越せずに凍え死ぬか飢え死にするわけですから、一日一日を大事にして、定期的に数々のイベントをこなしていきます。二十四節気というものもこうした区切りといえます。

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こうして厳しい冬という試練を乗り越えていくところから知恵が発達し、文化も発達するわけです。お祭りというのもそうしたけじめの文化でしょう。

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そこへ行くと、赤道付近の国は1年中あったかであり、食料もいつでも手に入るし、外で寝ていても凍え死ぬことはありません。うらやましいですね。しかし、地球儀を見ていると文化というものが発達したのは気候的に厳しい場所に集中しているようです。

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日本よりもずっと厳しい気候条件の地域があります。中東の砂漠地帯などは、昼は焼け死ぬほど暑いのに、冬は凍えるほど寒くなるそうです。先日、古い映画で「アラビアのロレンス」を見ましたが、砂漠では日中の暑さにやられて死ぬことは珍しくなく、らくだも水分補給なしでは20日で死ぬそうです。このような土地だから、一神教の絶対的で強烈な宗教が発生するのかもしれません。

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太古のエジプトでは、ナイル川が氾濫し土地そのものが流されてしまうことがしばしばです。そこから、測量技術、数学、建築などの高度な文明が生まれたわけです。人間に困難が降りかかるからこそ、そこに知恵が発達し、文化も生まれるのです。今はやりの言葉で言うと、ピンチをチャンスに変えるとでもいうのでしょうか。

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世界はこの2年ほど未曾有の不況で苦しめられ、日本はさらにさまざまな悪条件が重なって会社の経営的にも非常に厳しい環境に置かれております。しかし、そうした経験をすればこそ新しい何かが生まれてくるものと信じております。

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皆さんも、人生の中で悪い運命にさいなまれることもあるでしょう。しかし、そうした時期があればこそ普段の何でもない生活のありがたさがわかりますし、ただ物質を消費して享楽的に行き当たりばったりの楽しみを追いかけるのではなく、苦しい経験をした時こそ人生を考える良いチャンスとしてほしいと思います。

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