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ひとこと詫びることの大切さ

システム開発は人間関係が基本

システム開発の仕事というものは、多くの人と関わりを持ちながら目標とするシステムを作り上げていくものですが、機械であるコンピュータを相手にするよりも人間を相手にしていることの方が多いのではないでしょうか。特に上流工程となるとその傾向は強くなります。

九州での現地作業

以前に九州で仕事をしていたときにこんなことがありました。
それはかなり切羽詰ったプロジェクトで、20名くらいが連日遅くまで現地での作業に忙殺されていました。チームとしては元請の社員の他に、我々のように東京から応援にやってきた外注会社、地元九州で集められたソフト開発の社員などが入り混じっていました。

この仕事には私は途中から助っ人として参加したのですが、現地に行ってみると少々年配の地元の外注社員のA氏が技術的な中心人物であることが分かりました。A氏は当初からこのプロジェクトに関わっており、地元ということもありエンドユーザの会社とも以前から付き合いがある様子でした。

なぜこんな仕様で?

ところが、このA氏の設計というのが中途半端なもので、そのやり方では最終的にエンドユーザの要求を満たせないということがチーム内では早くから知られていました。私に理解できないのは、そうと分かっていてもチーム全体がその設計にしたがって開発を進めていることでした。いずれ設計のやり直しをしなければならないということは元請け会社のリーダーも認識しているようでしたが、それをずっと後回しにしていたのです。

まずはに謝ってくれ

そんなある日、打合せの場でそのA氏がちょっとした機能についてある方針を示しました。それにより、私の受け持ちプログラムに修正が入ることになり、打合せが終わるとしばらく私はその作業を行っていました。すると、打合せの後も元請会社のリーダーとなにやら話を続けていたA氏が私のところにやってきて、「今なにやってますか?」と聞くものだから当然、「打合せで決めた仕様に沿って修正をかけています」と返事をしました。

するとA氏、こわばった顔で「そのやり方だとXXXがうまく機能しないからYYYのようにやってもらわないとダメですよ」と、まるで私が勘違いして仕事を進めているようないい方をしてきました。私にはA氏の方針変更の理由は理解できましたが、それよりも薮から捧ないい方にムカッときました。だから私は、「それは分かりますが、あなたが打合せで決めたからそのとおりにやっていたのですよ」とひとこと返した。ここで私が期待していたのは、「すみません、よく考えてみたらさっきのやり方ではまずいということになりました。お手数掛けて申し訳ありませんが、変更お願いできますか?」というような返事だった。

絶対に謝らない

しかし、A氏は私が話を理解できていないと思ったらしく、「あのですね、XXXのやり方だと○○○がうまく行かなくなってしまうんですよ」とその理由を説明しだした。A氏が同じ会社の人間だったら、はっきりと「そんなことは分かっているけれど、先にすみませんのひとことくらい言え!」と言ってやったでしょうが、相手は別会社でずっと年上の人間だし、周りにはたくさんのメンバーがやり取りを聞いているから、私も遠慮して露骨なことは言えずにいました。

この状況は大変イライラします。頭に血が上っておとなしく引き下がることができない私はなおも「それは分かっているけれど、あなたが指示したんでしょう?」と少し強くいうと、A氏はまたもくどくどと変更しなければならない理由を説明し始めました。まるで、理解の遅い新米技術者に「わからんやつだな」というような態度で物をいうA氏に、結局「すみませんの」ひとことを言わせることはできませんでした。

本当のリスクは人

私がプロジェクトに参加した最初のうちは、様子が分からずA氏をベテラン技術者としてみなしていましたが、状況が分かってくるにつれこのプロジェクトで一番の問題はこのA氏だということが分かってきました。そして、何故か一番このプロジェクトに対して責任の重いA氏が中途で抜けてしまうのです。そのことはチームのメンバーもかなり前から分かっていたようですが、仕方のないこととしてあきらめているようでした。私は理不尽な話だと思っていましたが、後になって思うと、皆がこのA氏に頼っていても仕方がないと感じていたようで、いなくなるならかえってその方がよいと考えていたフシがあります。

さて、そのプロジェクトからA氏が抜けた後は心機一転再スタートを切り、一番問題となっていた部分は私が設計をやり直して何とかリリースにこぎつけたのですが、どうも無駄な回り道をしたようです。

気持ちよく謝ってリプレイ

システム開発の仕事場とは、本来は一致協力して一つの目標を達成するはずなのですが、多くの人が入り乱れてプロジェクトに参画し、それぞれがそれぞれ違った目標を持っていたりするものですから、時にはぶつかり合うこともあり、ストレスを感じたり、自分は正しいと思ってやったことが相手には迷惑を掛けてしまうことになったりと様々です。このような人間同士の摩擦というのは仕事をしていく中で避けようもありませんが、自分が間違ったと思ったら気持ちよく「すみません」と一言いうだけでずいぶん雰囲気が違ってくるものです。

サッカーの試合でも、熱心にプレイするあまり相手にファウルをしてしまうことがありますが、そんなときに手を差し伸べるとか、握手をするだけで「お互い様」ということになり、また気持ちよくプレイができるのです。システム開発の現場もまったく同じことだと思います。

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